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親の私は久しぶりに星新一さんの作品を読みました。懐かしい思いがします。村上春樹さんまであります。すごい!これを2年生が読むのかしら?と思ったら読んでいました。本の内容が色々な取っ掛かりを作ってくれるので、これから色んな作者さんの本に興味が飛んでくれたらと思います。
少し下の学年の本が読みやすいかも知れません。私は1年生も買おうと思っています。5年生の娘は早く自分の学年の本が出ないかと楽しみにしています。何を読ませたらいいか判らないお父さん、お母さん、お勧めです。まずは一緒に読んであげるとじっと聞いてくれますよ! 評価: 5男の子にぴったり 本をなかなか読まない男の子にぴったり、字も大きくて、お話の抜粋なのでこの前後はどうなんだろうね、と言ったりして興味をもたせて読ませています、我が家の場合一人では読めないので声に出させて親が聞くといった感じです、お話のあとに質問があってめんどくさがるのですが口頭で回答させています、何度でも繰り返し読ませることが大切かなと思っています、親の方もこの話どうだったけともう一度読み返している感じです、1年生、2年生とありますが1巻2巻といった感じで学年はそう関係ないと思いました。
大久保と西郷の物語はここで終わる。もちろん、爽快感はない。
読後感の重さは、ひとつには、西南戦争にはいったい何の意味があったのか、ということがある。この小説を読む限り、ただ死ぬためだけに行軍したようにしか思えない。そしてそれと知っていて西郷は止めなかった。まるでレミングの死の行進である。
もうひとつの重さは「サムライの絶滅」を暗示させる点であろう。士族は鎌倉幕府以来700年間、日本における読書階級であり知識階級であった。いわば日本的精神の美を支えてきた階級であった。それがいきなり無業者となり、百姓の軍隊に駆逐された。と同時にストイックな求道的精神も、庶民の庇護者としての犠牲的精神も絶滅した。かわって、極めて個人的な利と欲の精神が権力の中枢を占めるようになった。実のところこの構図は今にいたるまで、ずっと続いているように思う。
明治維新はいったい、何をつくり、何を破壊したのか。電車の中で化粧をする、道端に座り込む、車の窓からゴミを投げる。サムライが代表者として受け継いできた日本人の精神は、ここから崩壊が始まったのかもしれない。 評価: 4虚像か英雄か 全10巻という長丁場の終焉に来て、なにやら最初のころに比べ著者の西郷隆盛はじめ桐野利秋に対するトーンが冷ややかになってくる。「豪胆・爽快な男」としつつも桐野も最後は「単なるテロリスト」呼ばわりだし、「会った人でなければわからない西郷の大きさ・人望」も所詮会ったことがない著者や読者には、虚像か英雄か判定がつきかねる、
というところが正直な結論だろうか。西郷は幕末動乱を駆け、維新回天をなし、武士の無用な世を作った。西郷の生涯の最後の仕事は行き場のない武士たちを死地につかせることになってしまう。
西南戦争の終盤、西郷、薩軍幹部たちの死。圧巻の最終巻ですが、読後感は複雑です。この一大叙事詩をどう表現したらよいのか適当な言葉が浮かば?!??い。 評価: 4虚像か英雄か 全10巻という長丁場の終焉に来て、なにやら最初のころに比べ著者の西郷隆盛はじめ桐野利秋に対するトーンが冷ややかになってくる。豪胆・爽快な男としつつも桐野も最後は「単なるテロリスト」呼ばわりだし、「会った人でなければわからない西郷の大きさ・人望」も所詮会ったことがない著者はじめ読者にも、虚像か英雄か判定がつきかねる、というところが正直な結論だろうか?西郷は幕末動乱を駆け、維新回天をなし、武士の無用な世の中を作った。西郷の生涯の最後の仕事は行き場のない武士たちを死地につかせることだったのか・・。
西南戦争の終盤、西郷、薩軍幹部たちの死。圧巻の最終巻ですが、読後感は複雑です。この一大叙事詩をどう表現したらよいか適当な言葉が浮かばない。
黒田清隆の妻斬殺事件のエピソードが興味深かった。大久保利通は、この事件を揉み消したことが、のちの暗殺の一因となった。全編を通して、決して私利私欲や出身藩への利益誘導に走ることのなかった大久保がなぜ、黒田に対して厳しい措置がとれなかったのか。謎は多い。
神風連の鎮圧には、後の日露戦争の立役者、児玉源太郎が活躍した。このとき若干24歳。みごとな統制で夜襲の混乱を建て直し、一気に乱を押さえ込んだ。大物の片鱗が見える。
薩摩軍の2将、桐野と篠原には全く作戦も戦術もなく、軍の指揮官というよりも1個のサムライであった。これでは物量がものをいう近代戦はでは到底勝てない。300年前の関が原でさえ、勝てなかったのではないだろうか。そういう人物を近くにおき将にした西郷に、人を見る眼は果たしてあったのだろうか。西南戦争は、戦争というより、無謀なサムライの一揆だったのだ、という印象を強く受ける。
付録のテスの言葉は重い。
司馬史観とまで言われている司馬氏ですが、「昭和」を題材にしたものは、実はほとんど残されませんでした。その理由として、別の対談の中で「ぼくは五・一五や二・二六事件は非常にきらいです。あの連中に迷惑をこうむったのはわれわれ庶民で、その怨念が猛烈にある」「私にノモンハンを書けというのは死ねということだ」と語られています。
実際、満州の陸軍戦車学校を卒業して見習士官となった司馬氏は、その戦争体験から第1章で次のように結論づけています。「なんとくだらない戦争をしてきたのかと、まず思いました。そして、なんとくだらないことをいろいろとしてきた国に生まれたのだろう」と批判しています。
司馬氏はさらに、戦前の日本は日本の軍部すなわち参謀本部という占領軍によって支配されていた国として糾弾しています。そして、立法・行政・司法の三権を超越した「統帥権」を軍部が握り、終戦に至るまで暴走し続けて、自らの意図を以って日本を引きずりまわした、ということを語られています。
司馬氏が語られるように、満州事変、ノモンハン、太平洋戦争での軍部の行動は、すべて独断専横で独裁的でした。そしてこうも語られています。「日本の軍部は独裁的になっていきました。しかし、独裁者を出さない国であり、独裁者なき独裁でした。」「そんな権力者が出てきて太平洋戦争を遂行したのです。」と締めくくられました。
戦前の「昭和」という時代が、なぜ滅亡に向かってころがっていったのかを、もう少し皆で考える必要があると感じます。戦争を美化することなく、二度と戦争を起こさないためにも、歴史に学ぶ必要を再確認した思いです。
明治の日本は素晴らしく昭和の日本はだめだと、それも昭和になって突然だめになったのだと、
評者にはここが理解できない、なぜそれほどまでに昭和を貶めなければならないのか、そしてその視点で世界史を語れるのか、現に語れずに終ったではないかと、
司馬遼太郎が昭和の大作家であることはここでわざわざ評者ごときが述べるまでも無い、しかし!!!、と評者は考える、司馬には大きな功罪が合い半ばしているのではないかと、
「功」はもちろん今後も読み継がれるであろう沢山の歴史小説を残したことであり、「罪」はこれも支持者の多い評論・エッセイ分野での著作である、
本書や「街道をゆく」「この国のかたち」に代表される作品群にとりわけ特徴的であるのが、司馬の語り口の滑らかさのために文章の流れに身を任せて読書しているだけなのに、まるで読者自身が思考しているかのごとき錯覚を生じさせることである、
この錯覚こそ知性に大いなる憧れを抱きながらも決して自らには厳しい律を科したうえで思索を繰り返すことのできない多くの読者を惹き付けてやまないコツのようなものなのであろう、
信者が教典の解釈をする水準以下の読者に支えられていたことこそ司馬の作家としての不幸であり、そんな作家を国民作家と持ち上げ続けるのも我々の不幸である、自分の暮す国を「この国」などとは決して口にすまいと評者に決心させたのも司馬であった、
徳川慶喜,勝海舟,坂本竜馬,大久保利通,西郷隆盛,桂小五郎,伊藤博文,東郷平八郎,西園寺公望といった有名どころだけでなく,小栗忠順,副島種臣,津田出など,ややマイナーだが立派だった人にも暖かい視線を送り,政治家ではない福沢諭吉や新島襄も取り上げている.明治維新という革命を通り抜けた日本や日本人を,国家・国民という視点からこれだけ多面的に書かれているのが素晴らしい.また特筆すべきは著者の文体というか説明のしかた.著者自身も言っているように,仮に外国人に説明しても理解できるように噛み砕いて書かれている.高校生,中学生でも十二分に理解できるレベルでこれだけの内容が書かれているのは他書に類をみない. 評価: 5稀代の名著だと思います。 司馬遼太郎が、幕末・維新の人物や事件等について語った本ですが、司馬遼太郎は(あえて)断定的な言い方をしていません。従って、読み手は、司馬遼太郎が取り上げる事象を考えるヒントにして、色々なことを考えることができます。しかも、読み手の知識が増えるたび、年齢を重ねるたび、読むたびに、考え方
が変わってきます。即ち、読み手の成長に合わせて、本書の読み方が変わってきます。こういう本のことを稀代の名著というのではないでしょうか。
多分、物語の大筋を他人に口頭で説明しようとすれば、本作品はつまらないものとなってしまうような気がします。その世界観は読んだ人にしかわからないでしょう。そういう作品です。誰もが作者の世界にどっぷりと浸かってしまうと述べている通り、私も本当にそのような気持ちで本書を読み終えました。
またどこにでもありそうな日常的な風景や様子に付随して、この物語で語られる「気」というか「オーラ」というか霊的で呪術的な部分が本書の魅力であるように感じられます。日常にはありえない部分を盛り込む事によって、世界に真実味を与えているのではないでしょうか。「嘘に少しの真実を盛り込む事によって、嘘はより強化される」といった印象です。
長編ですが、一気に読めてしまう迫力が備わっています。次作でも何も考えずにその世界にどっぷり浸かってゆこうと思います。なぜこんなにもはまってしまえるのか不思議なくらいです・・・。 評価: 5流されていく感 ねじまき鳥クロニクルの第二部。一部では、よくわからなくて戸惑いのままに流されてきて、この第二部では、やはりわからない部分が多いままではあるけれど、物語の流れに流されることがなんだか心地よくなってきます。村上春樹の世界にどっぷり浸かっちゃう感じです。
物語は、だんだんと見えてくる部分がでてきたと思うと、さらに謎のような人や物たちがでてきたり・・・はらはらどきどきというのではないけれど、飽きません。ゆったりした中に、どこか闇が潜んでいる感じは、独特です。
村上作品の何がそれほどいいかって、そりゃ言い始めたらきりがないけど、大きな理由の一つにさりげない比喩の上手さがあると思います。
独特のユーモアで繰り広げられる比喩は、作品に独自のリズムと臨場性を与えてくれます。
印象に残っている比喩は沢山あるのだけれど、その中でもこの作品に登場する年老いた猫の心地よさを表現した比喩が1番好きです。私は水が大好きなのだけど、水の匂いを1番良く感じられるのはここで語られる場所だと思う。
本来水があるべきはずの場所に水はなく乾燥してしまっている。でもそこに存在した水は切に感じられ、私に安らぎを与えてくれる。
私は年老いた猫との関わりを、意識してもったことがないのだけど、これほど心地よいものならば是非一度ご一緒してみたいものだと感じました。 評価: 5この比喩が1番すき☆ まだきちんと朝起きて学校に通っていた頃、私は村上春樹と初めて出会ったのだけれど、それ以来私はもう彼の虜で困ってしまっています。
印象に残っている比喩は沢山あるのだけれど、その中でもこの作品に登場する年老いた猫の心地よさを表現した比喩が1番好きだ。私は水が大好きなのだけど、水の匂いを1番良く感じられるのはここで語られる場所だと思う。
本来水があるべきはずの場所に水はなく乾燥してしまっている。でもそこに存在した水は切に感じられ、私に安らぎを!与えてくれる。
私は年老いた猫との関わりを、意識してもったことがないのだけど、これほど心地よいものならば是非一度ご一緒してみたいものだと感じた。
「オスマントルコ帝国の税金のあつめ方」について知りたいと思った少年が図書館で出会った老人と羊男は何者か??図書館を舞台としたふしぎな物語。
50音網羅しているだけに、多少無理のある回文が混ざっている点は否めませんが、それでも「やるなぁ」と思わせる回文も結構ありますし、普段のあのエッセイの雰囲気が好きな人にはオススメです。 評価: 5けっこう笑えます。 文章と絵が見事にマッチしてます。よくここまで考えたなーっと感心させられました。わたしはこの本を偶然図書館でみつけてその場で読んだのですが、思わず吹き出してしまいました。けっこうシュールな笑いが好きな人にはたまらない一冊だと思います。
本書の中には猫のイラストや写真が多く掲載されていますが、その中から「うずまき猫」を見つけようとしてる人!!ちょっと待ってください、著者の真意を測りかねていませんか?
質問です☆「うずまき猫」ってどういう状態ですか?猫ってどんな生き物ですか?このレビューのタイトルをみてくださいね☆著者にとっての、日々の生活の中の幸せとは「小確幸」ですよね?
「うずまき猫のみつけかた」人にとって、人生を通してのテーマかもしれないですね☆
(まあ、あくまでも僕の読み方(解釈)ですが) 評価: 5手軽に、そして3つの楽しみ方 『やがて哀しき外国語』の続編。前作よりものんびりとリラックスした彼をおもいうかべる。今回はなんといっても、春樹氏の奥さんによる現地撮影付きである。そしていつもの安西氏の絵がこれまたジンわりとした味わいがある。つまりは、ことばの世界にひたりつつ、クレヨン絵をながめて、写真で親近感をわかせる。
これこそ、1度でいかようにもリラックスした読み方ができるのだ。
今回はソフトカバーなのでお風呂のおともに最適!
一生に一度は必ず読むべき本だと思います。 評価: 5いつ読んでも・・・ 高校生以来、20年振りに読んだ。当時も感銘を受け色々考えさせられたが、年月を経、人生経験を積み、再読してみると新たな感銘を受ける。流石に名著ではある。恐らく、先生とさして変わらぬ年齢になった自分が感じたもの考えたものは、更に20年経って再読した際には、先生より年上の立場になっているということで俯瞰してみることが出来るかもしれない。しかし其のときにでも、漱石の享年を超える歳に私がなっていてもその深遠さを測り知れないような気がする。漱石は偉大である。
”あのころの天皇の存在はそれほど大きいものじゃあなかったんだよ”と大正生まれの,元下仕官の,白髪のおじいさんが,遠慮がちにつぶやいている姿が浮かんできます.
『日本の文化は革命否定の上に成り立っている。独裁者を許さない文化』
織田信長はある意味、革命に一番近づいた。(封建制の否定)しかし明智光秀に本能寺で殺された。そうでなくともいづれは誰かに… 評価: 5歴史の中の海軍 ペリー来国以前、日本には海軍がなかった。船を使って回送運送業が諸国の戦に兵士として使役され、利権を得ていたが、開国後に一変した。その成り立ちがこの本には書かれており、日本海戦で世界の大国と、しのぎを削り、海戦するまでのいきさつが面白いく描かれている。
ジャズにありがちな“破滅にまっしぐら”“狂人と紙一重”風な話はほとんどないが、ジャズ界の住人達の日々の暮らしがしみじみとした魅力を持つ。“熱気”よりも“味わい”の一冊だろう。 評価: 550年代のジャズメンの生活を活写 著者はベーシストで、長い間ジェリー・マリガンのベーシストを務めたことで知られる。1950年代のニューヨークのジャズ・シーンやジャズメンの貧しくも、生き生きした生活を日記風に活写。この手の本は、あまり書かれていないだけに貴重。カウント・ベイシー、デューク・エリントン、ビル・エヴァンスなどの有名ミュージシャンの人となりが興味深い。好々爺然としたベニー・グッドマンが「グッドマン」でなく「イヤなオヤジ」だったことなど「新事実」も興味深い。訳者の村上春樹氏は知る人ぞ知るジャズファン。日記に併せて、村上春樹選のアルバムを巻末にまとめてあるが、これも翻訳に劣らず力作。(松本敏之) 評価: 550年代のジャズメンの生活を活写 著者はベーシストで、長い間ジェリー・マリガンのベーシストを務めたことで知られる。1950年代のニューヨークのジャズ・シーンやジャズメンの貧しくも、生き生きした生活を日記風に活写。この手の本は、あまり書かれていないだけに貴重。カウント・ベイシー、デューク・エリントン、ビル・エヴァンスなどの有名ミュージシャンの人となりが興味深い。好々爺然としたベニー・グッドマンが「グッドマン」でなく「イヤなオヤジ」だったことなど「新事実」も興味深い。訳者の村上春樹氏は知る人ぞ知るジャズファン。日記に併せて、村上春樹選のアルバムを巻末にまとめてあるが、これも翻訳に劣らず力作。(松本敏之)
当時、司馬は「竜馬がゆく」と「燃えよ剣」を同時連載中だった。この2つの大作のメインストーリーからはこぼれ落ちてしまったが、坂本竜馬や土方歳三のような主役と同じように、幕末の時代の気分を担った愛すべき脇役たちの評伝を伝えている。
例えば薩摩浄福寺党の肝付又助、こういう人物がそこらじゅうにいた時代というのは、いまからは想像もできない。異様な時代である。
ときに長編小説では、読んでいるうちに主人公に感情移入してしまう。そもそも違う時代の話であるということを忘れ、時代の違和感が薄められてしまう嫌いがある。が、短編小説では感情移入するヒマがないので、時代の違和感が伝わりやすい、ということがあるかもしれない。事実、ここに集められた9人は皆、現代からみれば異様な人間たちである。
単品としての味わいももちろん深いが、同時期に書かれたということで「竜馬がゆく」「燃えよ剣」のサイドストーリーとしての性格も持っている。この2大作のファンの方は、ぜひ本書もあわせて読むことをお勧めしたい。ちなみに、「五条陣屋」「切ってはみたが」の2編は「竜馬が行く」、「薩摩浄福寺党」「壬生狂言の夜」「侠客万助珍談」「大夫殿坂」「理心流異聞」の5編は「燃えよ剣」である。 評価: 5アームストロング砲 どの短編も面白かったが最も印象的だったのは表題作の「アームストロング砲」。倒幕側の諸藩で藩主が主導権を握って政治・行政・軍事を進めた藩は極めて少なかったが、その貴重な好例として佐賀藩のことを興味深く読んだ。アームストロング砲が佐賀藩でどのように設計・開発され、彰義隊壊滅のためにどのように運用されたかについても詳しい。
「街道をゆく」シリーズの中では異色の1冊といえるかもしれませんが、著者独自の考古学的視点を踏まえた考察とともにページをくる(旅をする)のは非常に古代へのロマンをかきたてられるものです。また、発掘に携わった無名の人々への著者のまなざしも温かく、読後、非常なさわやかさが残ります。
司馬ファンだけでなく、考古学ファンにもお奨めしたい1冊です。 評価: 5旅に出る前の必読本 司馬遼太郎の「街道をゆく」シリーズを、その土地に旅に出る前に目を通す習慣になってから久しい。今回は、仲間と忘年旅行会を稚内で開催することになり、まだ見ぬ北の果てへの予備知識を仕入れようと紐解いた。
このシリーズは、どの巻を読んでも、時空を自由に往き来しながら様々にものを考える作者の博識ぶりに驚かされるが、それでいて根本に人間の営みへの敬意と愛情に溢れているが故に、読後に嫌味が残らない。
この「オホーツク街道」では、北海道が日本史の中でどのような役割を占めてきたのか(特に稲作を社会の経済的基礎として発展してきたという歴史観を踏まえて)を改めて確認させられるとともに、蝦夷・アイヌへの認識、更にはそれとは異質のオホーツク人という概念を持つ必要がありそうだとの提案に、旧石器時代の遺跡発掘での捏造事件がマスコミを賑わしている最中だけに、爽やかなロマンと感動を覚えた。
また、土器が第二の胃袋として機能した(自然界の物は、ほとんどが固くて歯が立たず、煮炊きしないと胃が受けつけない)が故に、古代人は大いに感謝をし、単なる装飾ではなく、祈り・信仰から土器に縄目を付けたのではないかとの推定や、伊能忠敬と間宮林蔵との関わりに触れて、数理家である忠敬からみれば、打てば響くような林蔵の理解力が快かったに違いないと推定するところなどには、素直に頷かされ、真冬の最北端の地を踏むことに更に期待を強くした。
きっと、流氷で凍りついたオホーツクの海が見たくなって、再度出掛けることになるのではないかと、ゆく前から想像される。そんな気にさせてくれた本である。
英語も比較的読みやすく、感情移入ではなく、自分もまた登場人物の中に入り込んで彼らの息遣いの感じる距離で読んでいるような不思議な感じでした。これは一体何なんだろう?心に残る作品であることは間違いないです。 評価: 5真剣さを笑うことなどできはしない。 夢中になって読みました。村上春樹も解説に書いていましたが、この物語の誰にも強く感情移入することができないのにも関わらず、途中からだんだん主人公に対して、「がんばれ、そう、それでいい、がんばれ」と励まし称えたくなる、不思議な感情が生まれます。穴を掘り続けるその懸命さを、不安を、真剣さを、笑うことなどとてもできはしない。 評価: 5本気で生きる事。 純文学の力って何だろう、などと青臭い事をいい歳をしてふと考えてしまう。一気に結論を言えば、その唯一の拠所は読み手の「今・ここ」を揺さぶる力、なのかも知れない。本作は、いわゆる小説の完成度が最高というわけではない。もっと構成をひねり、テンポを変えた方がよいと思える部分も多々ある。しかし、この根底に込められた”生きる事への真剣さ”は並大抵のものではなく、その想いは完成度を凌駕する。憑かれたように穴を掘り続ける男の想いは、余りにパワフルかつ痛切に読み手に叩きつけられる。「反戦」「ベトナム戦争」「核保有国のメタファー」らの歴史・人文学的な解釈はいくらでも可能だろうが、僕はこの本にとってそれらは二次的でいいと思う。とことんまで自分や世界を見つめ、その中で、絶対に真剣に幸福を目指そうとした魂の輝き。この小説の底力は、すべての時代や状況を超えた普遍の地平へと我々を豪腕で導く。
実際はおばあちゃんではなく、“おばあさんいとこ”と7歳の“僕”なんですけど、お金を貯めてクリスマスの準備をしたり、お互いのプレゼントを用意したり。子供のようなおばあさんと少年のクリスマスの思い出に心洗われ、感動します。クリスマスはプレゼントを買ってもらう日だと思ってる子供や、少し心が渇き気味の人に読んで欲しいです。別にクリスマスだから、と読む本ではなく1年中読んで欲しいテーマです。
思いやりのすばらしさを心から感じる事ができました。物語では本当のおばあさんじゃなかったけど、私もおばあちゃんにもっと優しくしてあげて、もっとお話ししとけば良かったなあと思って、もっと涙が出てきました。
普通なら絶世の美女と結婚し、経済的にも裕福で言うことがない状態ならば、そんな破滅へ向かうような文章は書かないのではないだろうか?もっと形而下的に訴えかけるものを考えそうなものである。しかし、村上春樹さんも言っているように、そこには深い内省がないのだ。そこにフィッツジェラルドの凄さがあり、弱点がある。
僕には彼の書く人物の感情がものすごく分かる。なぜかは分からないが、ダイレクトに訴えられるものがある。 彼の文章はすぐにはその凄さが分からないかもしれない。しかし、何回も読んだり、少し期間をあけて読むと、変わってくる。 「およそ人生はこれ、崩壊の過程である」というのがよく分かる。 評価: 4バビロンに帰る 「バビロンに帰る」が目的でこの本を購入しました。
読んでみて、初めは主人公ではなくて、妹の方に感情移入しました。後半の方になってくると主人公がだんだん哀れになってきます。
取り返しのないことをしたと悔やんでも、失ったものは戻ってこないというツラさが、登場人物からすごく伝わってきます。
この作品は、エリザベス・テーラー主演で映画化もされています。私は本の方が好きですが。 評価: 5みんなバビロンに帰る 〜 原書とかで読むのが面倒なので早く春樹さんに「夜はやさし」と「グレート・ギャッツビー」を訳してほしいと思っているのですが、それはともかくとしてこの五編の短編もそれぞれ読み応えがあり、訳も申し分ないものです。〜〜 スコットが書く小説の主人公たちはどれもほぼ例外なくセンチメンタルな人間として描かれます。そしてその対象は主に過ぎ去ったもの、失われたものに注がれる。それを手にしていた間はあまり惜しいと思っていなかったものに。そしておそらくはそれ故に、その美しさ、儚さに心を奪われてしまうのでしょう。目の前にある現実を生きていくために、どんな夢見が〜〜ちな少年少女もいつかはリアリスティックになっていきます。例えば「バビロンに帰る」の主人公はそんな過程をすっ飛ばして大人になってしまったわけですが、遅まきながら自分の失った物のかけらの一部でも取り戻すために、自分の行動規範を掲げることで(アルコールを断つという)、大人になっていこうという姿は胸を打ちます。もちろんそれは不成功に終わり〜〜ます。過去の亡霊たちがそれを赦さないのです。しかしながら、そこにこそこの作品の根本的な悲しみと深み、そしてリアルな静けさ(いつかはみんな敗北者になるという無言の定め)が流れており、傑作を傑作足らしめているのです。そして僕たちが置き去りにしてきた何かを、スコットと彼の書く人物たちは永遠に持ち続けていることが何より重要なのでしょう〜
からってこれほど世の中の多くの種類の人々に読まれるベストセラー作家にはなっていなかったと思う。つまり村上春樹的にひどく奇妙な価値観で語られるからこそ、彼の本 はかなり変で、その分だけ面白いのだと思う。
どんなエッセイストでもそれなりの価値観で書いているとは思うけれども、村上春樹っていう作家は、とりわけ妙に意固地で頑なで、非常にマイペースであるし、会社勤 めを人生で一度もしたことがないだけに、自由な生き方を選択している人でもあるし、表現にも躊躇いがない。あるいはそのように見える人だ。だから鼻につくところが沢山
あるにも関わらず、ずっとチェイスしてきてしまった作家である。
そういう人が書いたオリンピック・エッセイ。この作家はニューヨークシティ・マラソンその他に沢山出場するくらいよく走る人なので、オリンピックの中でも長距離とト
ライアスロンには特別詳しいみたいだし、思い入れもありそうだ。それとアメリカかぶれのイメージ通り、野球はやっぱり好きみたいだ。柔道などは全然見なかったみたい だ。サッカーは見に出かけたけれど、やはり日頃特に見ることもない人のようだ。代わりに観光の方に気が行ってしまうときもあるようだ。やはり相当に偏ったバランス感覚
でこのオリンピックの日々を過ごす。一日2、30枚の日記を確実に仕上げてゆく。
そうした原稿だから、早い段階で真新しい単行本になって出版された。高橋尚子の凄さなどは、やはりまともに描かれてはいるけれど、一方で、この日記をサンドイッチしているプロローグとエピローグ(のようなもの)では、敗者たちに焦点を合わせている。こうした構成バランスの妙が村上春樹らしい。
題材はひどく違っていても、視点はやはり、サリン被害者たちにインタビューした『アンダーグラウンド』と変わらないものがあるような気がする。表面と裏面を知らずにはいられない作家的興味がこの本をただの五輪取材ものとは全然別なものにしている。五輪と全然関係なく、オーストラリアという個性的な大陸そのものへの村上春樹の興味は尽きないようで、むしろそのあたりの旅行記的価値の方を十分楽しめる一冊と言ってしまっていい本なのかもしれない。
もちろんこの作家は文章の非常に優れたスペシャリストである。たまにこの人の文章に接すると、表現する日本語文章として非常な安心感を得ることができるし、それなりに心地よい時間を過ごせる。そのあたりがベストセラー作家としての最大のスキルであるのかもしれない。
文体は村上節全開で、私はずっと求めていた「村上春樹の文体の秘密」を、まるで教科書に対する教科書ガイドを見るかのように、本書で理解してしまった(つもりです−具体的には、秘密)。シドニー・オリンピックは私にとってもすでに回顧の対象になるほど古い出来事になったし、それにそれほど大切な思い出じゃない。しかしこの作品はたぶん優れたルポだったんだろうと思うし、また、スポーツ選手の心理や生理を見事に描いてくれたことも、特筆に値する。純文学作家村上春樹ではなく、どちらかというと村上朝日堂の文章であるが、けっこう重い考察もあって、これはたぶん彼にとっても満足できる作品だったのではないか、と思う。
前者はジャズ界の奇人変人の話題が豊富だからで、愉快な人物が多い一方、お友だちになりたくないような強烈なキャラも少なくない。後者はジャズの歴史本に載らないウラの歴史がかいま見えること。とくにジャズ創生期の人々の証言の数々は貴重だ(サッチモはデビュー当時、楽器に細工をしているのではないかと疑われていた、なんて話も載っている)。米国社会に根強い「偏見」についても、さらりとした表現ながら考えさせられるところが多い。
また高名なミュージシャンの知られざる一面が紹介されていて、これがけっこう意外。イメージが壊れてしまうので、抵抗を感じる人がいるかも。実際、ベニー・グッドマンに関する記事はグッドマン・ファンの反撥を買い、著者は激しい抗議にさらされた(と後の著書に書いてあった)。
何百人もの登場人物には圧倒される。オールド・ジャズに関する話題も多いので、ジャズを幅広く知っている人でないと、未知の人物だらけということになりそうだ。わたしは中学生時代から三十数年ジャズを聴いているし(足し算をしないように!)、スウィングもニューオリンズも持っているんだけれど、それでも1割以上が知らない人だった。しかし、それで話がつまらなくなることはなかった。むしろ読んだことによって親しみがわき、機会があったら聴いてみたいと思っている。 評価: 4ジャズミュージシャンにまつわる小話 ジャズミュージシャンの間で語り継がれてきた小話、笑い話、裏話を分類、整理してまとめた本。著者自身もジャズミュージシャンなので、収集したネタの範囲は実に幅広い。雇用と解雇、マネージャー・エージェント・ボス、アレンジャー、人種偏見、名文句、ジョークといったようなものから、個別ミュージシャンに固有のネタまでさまざま。登場するミュージシャンは、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、ベニー・グッドマン、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーンなどなど15人。古き良きジャズの世界のようなものを実感できます。
といってもかなりしょうもない内容です(笑)。ゴルフやスポーツクラブ、ゲレンデ・スキーへの偏見を、お二人が熱く・・・というよりはむしろクールに語っていらっしゃいます。「そうだそうだ!」と思うか、「えー、それはヒドイ」と思うか? とにかく、相変わらずのテイストです。
HPを読んだことのない方にももちろんオススメ。HPじたいは6月でクローズ予定なので、このCD−ROM&本を購入して、今からじっくりゆっくり楽しみましょう。
村上春樹・創作の秘密もわかるかも!? 評価: 4やっぱり春樹さんです メールは短く、内容は1つ。本当にその通りなのだろう。 文章を洗うという作業は凄い。肉をそぎ落とし、骨にするのだ。 そんな中から生まれる長編は、素晴らしいものになる。 村上作品は、そんな中から生まれているんだと言うことがよくわかりました。
最初から最後まで不思議な空気感にすっぽり包まれて、読めば読むほどに高揚感があり、あっという間に読んでしまいました。今後も何度でも読み返すとおもいます。 評価: 4あまいかな・・・ たしかに世界の終わりとや、ネジマキ鳥に比べれば、足りないように感じます。とは言っても面白いに変わりありませんが・・・。この物語にユキという13歳の美少女が登場してきます。この子が本当にこの物語を引き立たせています。この子が出てこなければ、味気ないものになっていたでしょう。
35歳の僕の大人の感性と13歳のユキのガラスのような感性が上手く相対させてあるように私は感じました。他の人も言ってますが、それだけにユミヨシさんとの最後のシーンは物足りなさが目立ちました。
羊男や謎の美少女や片腕の詩人(登場は下巻から)などなど個性的なキャラクターも物語に深みを与えてくれます。自分にとってはオンリーワンな小説です。
ジャズメンそれぞれの特徴(性格も含めて)を非常によくとらえ、かつ、なんともいえず「ジャズっぽい」タッチの和田さんの絵。徹底的に私的でありながら、ジャズへの憧憬の深さと愛が伝わってくる村上さんの文章。また、セレクトされている盤も必ずしも「ド名盤」でないところにセンスを感じます。
僕自身は、バップ以降のジャズしか聴きませんでしたが、本書でそれ以前の作品にも開眼されました。いつものことながら村上さんの作品を読むと世界が拡がります。
埃をかぶったLP(CD?)を引っぱり出して、本書とよく冷えたビールを一杯。至福の時間を味わいましょう。 評価: 4おいしいエッセイと楽しいポートレイト 第一作同様,和田誠がジャズミュージシャンのポートレイトをユニークに描いて,それに村上春樹がエッセイをつけるという趣向の本.2人ともジャズが好きなんだなーとつくづく感じる合作です.こういうのを本当の意味での「コラボレーション」というのだろうなぁと思ってしまう.おいしいエッセイと楽しいポートレイトを通して,自分の知らないミュージシャンと出会えるのは素敵.お酒を飲みながらソファーにダラ〜っとしてジャズを聞きたくなります. 評価: 4体を動かしたくなる本 この本は、和田誠さんがお気に入りのジャズメンの肖像画を描き、そこに村上春樹さんがエッセイをつける、という共同作業の賜物です。肖像画も、エッセイも、同じくらい素敵です。
村上さんの文章(小説、エッセイ)を読むと、何かこう、体を動かしたくなります。といっても、スポーツをするのではなく、ビールを飲むとか、女の子を食事に誘うとか、そういう風に何かせずにいられなくなります。
この本でも同じ。
エッセイを読み終えて、ぼくは、無性にLPとレコードプレーヤーが欲しくなりました。そして、ジャズを聞きながら、遠い国からやってきたスコッチウィスキーをゆっくりと飲みたいと思いました。
それくらい、素敵な本です。